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2011年11月17日 (木)

野田首相の二枚舌?

11月12日昼(日本時間13日朝)に
ホノルル市内で行われた日米首脳会談において、

アメリカ側が、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について
「野田佳彦首相が『すべての物品およびサービスを自由化交渉のテーブルに載せる』
 と述べた」と発表したために、大騒ぎとなり、

野田首相が、国会で二枚舌だと攻撃され、

野田首相は、
「オバマ大統領にも、国内においても、同じ説明をしているので二枚舌でない」
と、反論されておられます。

11月13日の産経新聞によると、

1.外務省は、野田首相は
  「昨年11月に策定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基づいて
  高いレベルでの経済連携を進める」と述べただけで、

  アメリカの発表のような「全ての物品及びサービスについて交渉する」とは
  言っていない。

2.外務省が、米側に説明を求めたところ、

  米側は、同基本方針に
  「センシティブ品目(自由化に慎重な品目)について配慮を行いつつ、
  すべての品目を自由化交渉対象とし…」と書かれていたことを踏まえ、
  報道発表したと説明し、誤解を認めたとのことです。

他方、
11月7日の毎日新聞によると、

野田佳彦首相は7日の衆院予算委員会で、
主要20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)で消費税を
10年代半ばまでに段階的に10%まで引き上げると「国際公約」したことについて、

「『いきなり国際公約』と(の趣旨を)今日の本会議(の質疑)でも言われたが、
 そうではない。

 所信表明演説や国会の質疑、記者会見でも言っている」と述べ、
国内でも説明した内容の繰り返しに過ぎないとの考えを強調した。

そのうえで、
税と社会保障の一体改革に伴う消費増税について
「年金、医療、介護を持続可能にしていくには持続可能な財政でなくてはならない。
 歳入改革は避けて通れない。先送りできない」と理解を求めた。
と報道されています。

要するに
税と社会保障の一体改革の方針の中に、消費税増税が書かれているし、
この一体改革を実施すると、国内で何度も繰り返して説明したので、
「消費税増税の実施」について説明していると、説明されておられるのです。

この記事を読んで、
野田首相のお話しは、その場の言葉だけではなく、
そこで引用された方針などを確認せねば、おっしゃっておられる意味が分からないな、
と、理解したのでした。

この原則に従うと、
今回のハワイでのアメリカ側への野田首相の発言は、

「昨年11月に策定した『包括的経済連携に関する基本方針』に基づいて
 高いレベルでの経済連携を進める」とのことですので、

アメリカ側の発表通り、
留保はあるものの「全ての物品及びサービスについて交渉する」と
おっしゃったことに なるのではないでしょうか。

消費税増税の国際公約の際に、
消費税増税を、直接的におっしゃらずに、

「税と社会保障の一体改革の方針」を実施するとおっしゃったことが、
消費税増税を国民に説明したことになるのなら、

今回のハワイでも、
「全ての品目の交渉をする」とオバマ大統領に
おっしゃったことになるのではないでしょうか。

アメリカ側は、
当然消費税増税の国内でのやりとりをご存じでしょうから、

アメリカ側が、
あのように発表するのは、論理的に筋が通っていると思われますし、
発表の撤回や修正に応じない理由も、ここにあるのでしょう。

首をかしげるのは、

野田首相が、

消費税増税の時には、
先に決定した方針の内容をもって「説明した」とおっしゃりながら、

今回は、
オバマ大統領に発言した言葉だけを取り上げて
「言っていない」と否定されておられることです。

国会で議論になっていないようですが、
これを「二枚舌では?」と言われたたとき、どの様に説明されるのでしょうか?

野田首相の名誉のためにも、
どなたかが、この点について野田首相にお聞きいただき、

野田首相から、納得できる合理的な説明をお聞かせいただけることを
願っています。


    < TPP 関連 の ブログ >

    野田首相 TPP参加表明で、ちょっと思い浮かんだ 幾つかの事柄
    http://hh05.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-36bf.html  

    野田首相の二枚舌? (今回)
    http://hh05.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-51f4.html

    TPP交渉の本質
    ・・・1.TPPは、「自由をどう制限するか」 の交渉である
    http://hh05.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-5437.html

     TPP交渉の本質
    ・・・2.「自由とは何か」を理解していない相手との交渉である
    http://hh05.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-e607.html


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